湿地では今こんなことが

ハチゴロウの戸島湿地は、低湿な田んぼ(一部は埋め立てられていました)だったところを、重機で全面的に湿地造成されました。

目標は、田んぼだった頃よりも生物相を豊かにすること。さて、どうなった?どうなりつつある?

ボランティア歓迎します

2007年、用地の買い取りが完了して造成の設計にかかっている時、城崎温泉の商工会青年部OBから人工巣塔を寄付したい旨申し出がありました。現場で打ち合わせし、営巣に最良と思われる山際に建ててもらったのが、現役活躍中の人工巣塔です。

2008年の春、前年までに放鳥されたコウノトリたちは、限られた個体の中から結婚相手を懸命に選んでいました。その中で、どうやら2組が成立したよう。その1組が繁殖場所をこの巣塔に決めたようです。既に造成工事が進んでいましたが、ものともせずに4月に産卵、5月に3羽が孵化したのです。

コウノトリが巣で抱卵するようになり、困ったのは湿地工事の施工業者です。なにせコウノトリは、産卵以後は夫婦で交代しながら巣から片時も離れません。通常なら発注者と請負業者とで困難な協議開始となるのですが、「コウノトリのまち・豊岡」のこと、「そんなこと、あたりまえ」とばかりに、繁殖期間中は工事が中断されることとなりました。

さすがですね。業者の方、ありがとうございました。

生きものたちの様子

コウノトリが生息するには、多様な生きものが一杯いること。ハチゴロウの戸島湿地は、水辺の生きもののデパート。ならば、どんな魚が、いつ、どれくらい?

外部環境と繋がっており、いろんな生きものが入ってくるということは、歓迎しない生きものも一緒に入ってくることを意味します。入ってほしくないものは、外来生物です。

これまでに、次のものを確認し、駆除に努めてきました。けれども、現在も侵入はやまず、駆除が追い付いていません。

生きものでは ヌートリア、カダヤシ、ミシシッピアカミミガメ、ウシガエル、ブルーギル(数匹)、アメリカザリガニ(少数)
植物では キシュウスズメノヒエ、セイタカアワダチソウ、ダンドボロギク

湿地では、随時生きもの調査を行っています。

2015年3月に湿地開設から5年間を検証した報告書が作成されていますので、ご覧ください。